公園の鳩

近所に小さな公園がある。

昼間に通りかかると、数羽の鳩がいるのをたまに見る程度だったのだが……

つい先日の夜、だいぶ遅くにその公園の脇を通った所、無数の鳩がいた。

公園には古い水銀灯がひとつあるのだが、その明かりの範囲にいただけでも、数十羽はいただろう。光の届かない、暗い中にも動きのある影があったので、さらに多くの数がいたと思われる。

それらは鳴き声を上げることもなく、わずかに身じろぎする程度の動きを見せるだけで、ただそこにいた。

通りかかるこちらをじっと見ている個体もいたが、皆思い思いの方向に首を向けている。

何のために、なんでそんな多数の鳩が公園にいたのかは、まるで分からない。

声も上げずに夜の公園にたむろしている多数の鳩の姿があまりにも不気味であり、足音を潜めながら通り過ぎるのが精一杯だった。

翌日、明るくなってから再びその公園の側を通ったが、その時にはもう、あれだけいた鳩が一羽も見当たらなかった。

フンくらいは落ちていそうなものだが、それすらなく、そのあまりの痕跡の無さぶりに、夢でも見たのではないかと思ったくらいだ。

あんな数の鳩が一箇所に集まっていたのを見たのは、昼夜通してもあれがはじめての事だった。なんだったのかは、今でも分からない。