ガードレール

とある町の国道沿いにあるガードレール。

特に何の変哲もないものなのだが、いつも一部分だけ、何かが激しくぶつかった跡のように歪み、曲がり、塗装が剥げている。

たぶん事故の痕跡なのだろう。

しかし、そこは真っ直ぐな直線の道路であり、交差点でもなく、脇道、横断歩道、信号などもない場所だ。

国道なので、それなりに車通りはある。だが、それだけだ。

まっすぐな道路の端に延々と続いているガードレール。その一部分だけが、大きく歪んで破壊の傷跡を見せているのである。

しばらくすると、その部分は新しいガードレールに変わっている。

だが、いつの間にか、気がつくとまたその場所で事故が起きたと思われるほど、破壊されているのだ。

それが、ずっと繰り返されている。何度も、何度も。

不思議なことに、その場所で事故が起きたという話は聞いたことがない。

破壊され、新しくなり、また破壊され、だが、壊れる瞬間を見た者の話がない。

その場所に、何があるのか。

通りがかりに見ると、たいてい同じ場所のガードレールは壊れている。

まるで、それが当たり前の光景だ、という風に。